フランスパン
フランスパンのおいしさ
フランスパンと言えば香ばしい焼きたてが最も美味しい事は皆様ご存知だと思います。
その実はパリでは毎食毎にバゲットを近所のパン屋さんに買いに行く姿が今でも見られ
ます。バゲットといえば、細長く全身皮ばかりのパンですがフランス人にとっては一番よく
焼けた外側の皮こそがフランスパンの生命と考えているようです。
一方、日本では太目で中身の柔らかい部分の多いバタールが良く売れており食パン
同様スライスしてトーストして召し上がる方が大半のようです。しかし、このトーストの
やり方でフランスパンが本来もっている美味しさが半減する事にまだお気づきでない
方が多数おられるようです。
フランスパンの原材料は小麦粉と塩だけで、砂糖やバターなどの副材料を使用
していないので小麦の自然な甘味と香りを最大に引き出せるパンなのです。
長い時間かけて熟成と発酵させた生地は最後にフランスから輸入した高温の石窯で
しっかり焼き込まれる事で、外側はカリッと香ばしく中身はしなやかで弾力のある
口当たりになり甘味も増します。
フランスパンはイーストの量、ミキシングの時間を最小限にして発酵時間をたっぷり
とり、生地の発酵と熟成のバランスがあったとき最高に美味しく出来上がります。
フランスパン製法の変貌
かつてパンは、ビール酵母や自然種を利用して作られていました。
18世紀後半からは、イーストが少量添加されるルヴァン・ド・パート法が広まったが、
当時のイースト使用の目的は、寒い季節の発酵の補助や安定化、また少しでもパンを軽く、
酸味を少なくしようとする為だった。
19世紀中ごろになると、それまでの常識を覆すような、自然種を全く使わず水種でつくる
ポーリッシュ法が広まり、20世紀初めまで発展を遂げる。
しかし、この間にルヴァン・ルヴュール法(中種法と同じ)、ディレクト法(ストレート法)が考えだされ
次第に後者が優勢となっていった。
そして今日、その改良製法としてパート・フェルメンテ法が現れたのである。
パートフェルメンテ法のフランスパン
ルークのフランスパンはパートフェルメンテ法で作っています。
これはディレクト法のフロアータイムを短縮して、なおかつ味を落とさない製法。
フランスパンを世界に指導されていたフランス国立製粉学校の名誉教授レイモン・カルベル氏が考案したもの。
フロアタイムを短くする分、イーストは少し多いめに入れますが、そのことで懸念される風味の不足を
あらかじめ発酵させておいたフランスパン生地をいれることによって補われます。
これなら、風味と日持ちをよくする有機酸を確保できるのでフロアタイムが短くても
長時間のディレクト法と同等の品質が得られるのです。
いわゆる中種法との違いはこちらの発酵種には塩分が入っていること。
種が中種法のものと比べて柔らかめという2点があります。
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配合
リスドオル(フランスパン粉)・・ 1000g (100%)
サフ インスタントドライイースト・・・ 7g (0.7%)
塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20g (2%)
ユーロモルト ・・・・・・・・・・・・・・・・ 3g (0.3%)
ビタミンC(0.6%溶液)・・・・・・・・・ 1g (0.1%)(6ppm)
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 680g (68%)
パートフェルメンテ(*フランスパン発酵生地)・・ 300g (30%)
*フランスパン生地を100〜120分発酵させ、そののち5〜7℃で18時間冷蔵したもの
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行程
パートフェルメンテを用意しておく
●ミキシング
スパイラル型 L 1分30秒 → インスタントドライイースト加える → L 30秒 ルポオートリーズ15分
→塩・ビタミンC加える → L 4分 (H30秒) 捏ね上げ温度24℃
●フロアタイム
30分 → パンチ → 30分 (醗酵室 27℃)
●分割
350g
●成形
40cm
●ホイロ
70分(醗酵室 28℃)
●焼成
クープ3本を入れ蒸気を入れて
上火240℃ 下火230℃ 30分